What's相続/贈与税の計算

マイホームの夢を実現する贈与

執筆:ひかり税理士法人

夢のマイホームを購入するには、資金が必要となります。購入資金には、

・頭金を貯め、ローンを組んでご自身で購入
・親や祖父母からの資金を援助してもらい購入・・・親や祖父母から多額の資金が移動すると、贈与税が気がかりとなります。

年間110万円を超える贈与には、贈与税が課税されます。住宅取得のための資金援助となると、500万円や1,000万円の贈与も珍しくありません。住宅を取得するために親から資金援助を受けたことにより多額の贈与税が課税されてしまうと、資金援助をすること自体が難しくなってしまうため、救済措置として次の制度が設けられています。

 

(1)住宅取得等資金の贈与税の非課税制度

父母や祖父母から住宅を取得するための資金を贈与により取得した場合には、贈与税の非課税枠である110万円に加えて、次の金額の非課税を受けることができます。

※配偶者の父母から贈与を受けた場合は、実の父母ではありせんので(ただし養子縁組をしている場合は除きます)、この非課税制度の対象外となることに留意してください。

□良質な住宅用家屋

省エネルギー性、耐震性を備えた良質な住宅をいいます。

□消費税率による非課税金額の変動

住宅用家屋の所得等に係る対価の額または費用の額に含まれる消費税等の税率が、10%であるか8%であるかにより非課税の金額が変動します。

 

(2)住宅取得等資金の贈与税の非課税の適用要件

□贈与を受けた者の要件

① 贈与を受けた日の属する年の1月1日において20歳以上であること

② 贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であること

③ 贈与を受けた住宅資金の全額を住宅取得の対価に充てること

④ 贈与日の属する年の翌年3月15日までに取得した住宅に居住すること、または居住することが確実であると見込まれること

※家屋または増改築の要件

【家屋の場合】

① 家屋の登記簿上の床面積が50㎡以上240㎡以下であること

② 購入する家屋が中古の場合、木造は築後20年以内、耐火建築物は築後25年以内のもの

【増改築の場合】

工事費用が100万円以上であり、増改築後の家屋の登記簿上の床面積が50㎡以上240㎡以下であること

 

(3)相続時精算課税との併用

相続時精算課税制度と住宅取得等資金の非課税の制度を併用することにより、さらに非課税枠が上乗せされます。

相続時精算課税とは、20歳以上の者が60歳以上の父母または祖父母から贈与を受けた場合に、2,500万円までの贈与について非課税とし、贈与財産を相続税で課税する制度です。

(具体例)

平成27年に住宅資金3,000万円を祖父から贈与により取得し、良質な住宅を新築した場合

□相続時精算課税を選択しなかった場合の贈与税

(3,000万円-1,500万円-110万円)×40%-190万円=366万円

□相続時精算課税を選択した場合の贈与税

(3,000万円-1,500万円-※1,500万円)=0

※2,500万円>1,500万円 ∴1,500万円

注意:1,500万円については祖父死亡時に相続税課税されます。

 

(4)精算課税と暦年課税の選択

住宅取得資金の非課税枠を超えて贈与をすることを考えている場合には、暦年課税で申告するか相続時精算課税で申告するかの判断が必要となります。

相続時精算課税を選択すれば贈与税の負担は減少しますが、相続税の負担が増加する可能性がありますので、贈与前に相続税の試算するなど選択は慎重に行ってください。

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