What's相続/相続税の計算

相続税が課税されない財産

執筆:ひかり税理士法人

1.相続税がかからない財産

相続税は、原則として相続財産のすべてに対して課税されます。

しかし、相続財産の中には、財産の性質や国民感情、社会的政策などの理由から相続税を課税するのが適当ではないものもあります。

これらは相続税の非課税財産といわれますが、具体的には次のような財産です。

(1)墓地・仏壇等
墓地や仏壇・仏具には相続税はかかりません。これは国民感情を考慮したもので、礼拝用に日常使用されているものについては非課税とされています。

しかし、仏壇であれば何でもよいというわけではなく、例えば純金製の者は礼拝用というよりは投資用と考えられるため課税対象となります。

なお、相続開始後に仏壇等を購入しても、相続財産から控除されませんので注意してください。

(2)生命保険金・死亡退職金の一部

本来の相続財産ではありませんが、被相続人の死亡を原因として相続人が受け取る財産を税法上は相続財産とみなすことにしています。

みなし相続財産の主なものには、生命保険金と死亡退職金がありますが、これらについては相続人の生活保障の観点から次の算式で計算した金額までは非課税とされています。

なお、弔慰金については、月額給与の6ヶ月分までが非課税ですが、業務上死亡の場合は3年分が非課税となります。

例えば、相続人が妻と長男、長女の3人で受け取った生命保険金が6000万円の場合には、4500万円が課税対象額となります。

保険会社 生命保険受取人 保険金額
A生命保険会社 4000万円
B生命保険会社 長男 2000万円
合計 6000万円(B)

具体的計算

  1. 非課税限度額の計算 ・・・ 500万円×3人(法定相続人の数) = 1,500万円(A)
  2. 相続人ごとの具体的な非課税金額の計算
    妻     1,500万円(A) × 4,000万円/6,000万円 = 1,000万円
    長男  1,500万円(A) × 2,000万円/6,000万円 =    500万円
  3. 相続人ごとの課税対象となる生命保険金
    妻     4,000万円 - 1,000万円 = 3,000万円
    長男  2,000万円 -  500万円 = 1,500万円

(3)国等への寄付金
相続または遺贈により取得した財産を、国や地方公共団体、その他公益を目的とする事業を行う特定の法人に寄付した場合にも、その寄付した財産は非課税財産となります。

これはあくまで、その財産が非課税となるもので、寄付した財産相当の相続税が免除される訳ではありませんので注意してください。

(4)公益事業用財産
宗教や学術などの一定の公益事業を行う者が、その公益事業のために相続する財産をいいます。

これは公益性の観点から非課税とされているもので、相続で取得してから2年を経過してもまだ公益事業のために供されていない財産については課税の対象となります。

2. 非課税財産を活用した相続税対策

このように、いろいろな観点から非課税財産が定められていますが、公益事業用財産のように、公益事業を行う必要があるなど一定の要件を満たす必要のある対策は、簡単には実行に移せません。

しかし、お墓の購入や生命保険の加入によって手許の現金を非課税財産に置き換えることは比較的容易ですので、非課税財産を活用した相続税対策をお勧めします。

なお、領収書など非課税財産を購入した際の証拠をなくされている方が多いようですが、購入したことを証明できるものが必要となりますので領収書関係は必ず保管しておきましょう。

相続税がかからない財産

墓所・霊びょう等 お墓、仏壇、仏具
生命保険金 500万円×法定相続人の数
死亡退職手当金 500万円×法定相続人の数
公益事業用財産 公益事業を行う者が相続する一定の財産
国等への寄付金 相続等により取得した財産を申告期限までに国、地方公共団体に寄付
心身障害者共済制度に基づく給付金受給権 心身障害者共済制度に基づく給付金受給権
弔慰金 業務上の死亡・・・月額給与の3年分 

その他の死亡・・・月額給与の6ヶ月分

 

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